「B型の事業所に通ってみたいけれど、障害者手帳を持っていない」「手帳を取らないと、福祉サービスは使えないの?」という疑問について、国の制度と大分市の公式情報をもとに整理します。
障がいの種類によっては、障害者手帳がなくても就労継続支援B型(以下、B型)を使える場合があります。ただし、大分市で申請するときに求められる書類があるので、順番に説明します。
この記事のポイント
- 国の制度では、身体障がいの方を除き、障害者手帳はB型の利用を決めるための必須の条件ではありません
- 大分市の案内では、申請に障害者手帳か自立支援医療受給者証(精神通院)のいずれかが必要です(難病の方は別の案内があります)
- 精神科・心療内科に通院している方は、自立支援医療(精神通院)の受給者証で申請できます
- 難病の方は、診断書や特定医療費(指定難病)受給者証などで申請できます(大分市)

手帳がなくてもB型を使える場合があります
B型などの障害福祉サービスの対象は、障害者総合支援法で定める「障害者」です。ここには、身体障がい・知的障がい・精神障がい(発達障がいを含む)のある方に加えて、法律で定められた難病などのある方も含まれます。
国(厚生労働省)が市町村向けに示している事務の手引き(事務処理要領)では、「身体障害者を除き」、サービスの支給を決めるにあたって「障害者手帳を有することは必須要件ではない」とされています。手帳がない場合に、障がいがあることの確認に使われる書類の例は、次のとおりです。
| 障がいの種類 | 手帳がない場合に、確認に使われる書類の例 |
|---|---|
| 身体障がい | 身体障害者手帳が必要です |
| 知的障がい | 療育手帳。手帳がない場合は、市町村が必要に応じて知的障害者更生相談所の意見を聞いて確認します |
| 精神障がい(発達障がい・高次脳機能障がいを含む) | 精神障がいを理由とする年金の証書、自立支援医療受給者証(精神通院)、医師の診断書 など |
| 難病など | 医師の診断書、特定医療費(指定難病)受給者証 など |
ただし、実際にどの書類で申請できるかは、お住まいの市町村の案内に従います。次に、大分市の場合を見ていきます。
大分市で申請するときに必要なもの
大分市の「障害福祉サービス等の利用について(18歳以上の方へ)」では、手続きに必要なものとして、次のいずれかが挙げられています(このほかに申請書類などが必要です)。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
- 自立支援医療受給者証(精神通院医療に限る)
つまり大分市では、障害者手帳を持っていなくても、自立支援医療受給者証(精神通院)があれば申請できます。また、難病の方については、大分市が別のページで、診断書などを持って申請するよう案内しています。障がいの種類ごとに整理すると、次のとおりです。
| 障がいの種類 | 大分市で申請するときの主な書類 | まずすること |
|---|---|---|
| 精神障がい・発達障がい(通院中) | 自立支援医療受給者証(精神通院)か、精神障害者保健福祉手帳 | 自立支援医療(精神通院)か手帳を申請する |
| 難病 | 診断書、特定医療費(指定難病)受給者証など | 対象の病気かどうかを確かめる |
| 知的障がい | 療育手帳 | 手帳がない場合は、障害福祉課に相談する |
| 身体障がい | 身体障害者手帳 | 身体障害者手帳を申請する |
精神障がい・発達障がいで通院中の方
精神科や心療内科に通院している方は、自立支援医療(精神通院)の受給者証で、B型の申請ができます。自立支援医療は、通院の医療費の自己負担を軽くする制度です。受給者証があれば、B型の申請ができ、通院の費用も軽くなります。申請方法は、このあとの「自立支援医療(精神通院)の申請方法」で説明します。
発達障がいや高次脳機能障がいも、制度のうえでは精神障がいに含まれます。なお、医師の診断書だけでB型を申請できるかどうかは、大分市の案内には書かれていません。手帳も自立支援医療の受給者証もない場合は、大分市障害福祉課(097-537-5658)に事前に確認してください。
難病の方
大分市は「難病患者の方も障害福祉サービス等の対象者になります」として、身体障害者手帳の有無にかかわらず、必要と認められたサービスを受けられると案内しています。対象は、国が定める376の疾病(令和7年4月時点)です。
申請するときは、対象の病気にかかっていることが分かる証明書(診断書や、特定医療費(指定難病)受給者証など)を持って、大分市障害福祉課で申請します。なお、医療費の助成の対象になる「指定難病」と、障害福祉サービスの対象になる疾病は、範囲が少し違います。対象かどうかは、厚生労働省の対象疾病一覧で確かめられます。
知的障がいの方
大分市の案内では、療育手帳が挙げられています。18歳以上で初めて療育手帳を申請する場合は、成績証明書などが必要になるため、申請の前に大分市障害福祉課に相談するよう案内されています。
身体障がいの方
身体障がいの方は、国の制度でも身体障害者手帳が必要です。大分市では、障害福祉課のほか、各支所や東部・西部保健福祉センターなどで申請できます。手帳の交付は無料ですが、指定医の診断書の作成料などは自己負担です。
自立支援医療(精神通院)の申請方法(大分市)
精神障がい・発達障がいで通院中の方が、手帳の代わりに使える自立支援医療(精神通院)について、大分市での申請方法をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 通院による治療を続ける必要がある方 |
| 窓口 | 大分市障害福祉課(本庁舎1階)、東部保健福祉センター(鶴崎市民行政センター内)、西部保健福祉センター(稙田市民行政センター内) |
| 受付時間 | 障害福祉課は8:30〜18:00、東部・西部保健福祉センターは8:30〜17:15 |
| 審査の期間 | 結果が分かるまで1〜2か月程度(審査は大分県) |
| 有効期間 | 申請書を受け付けた日から1年間。毎年の更新が必要ですが、診断書の提出は2年に1度です |
| 代理の申請 | できます |
申請に必要なもの
- 支給認定申請書
- 診断書(精神通院医療用)
- 所得・税額調査同意書
- 加入している健康保険が分かるもの(資格確認書や資格情報のお知らせの写しなど)
- 障害年金・遺族年金を受けている方は、年金の額が分かるもの
- マイナンバーが確認できる書類と、本人確認の書類
- 同じ医療保険に加入している世帯全員の個人番号
精神障害者保健福祉手帳といっしょに申請する場合は、手帳用の診断書だけで申請できます(大分県の案内)。
医療費の自己負担
自己負担は原則として医療費の1割で、所得に応じて1か月の上限額があります。ここでいう「世帯」は、住民票の世帯ではなく、同じ医療保険に加入している方の単位です。
| 所得区分(条件) | 1か月の上限額 | 「重度かつ継続」に当たる場合 |
|---|---|---|
| 生活保護(生活保護を受けている世帯) | 0円 | 0円 |
| 低所得1(市町村民税が非課税の世帯で、本人の収入が80万9千円以下) | 2,500円 | 2,500円 |
| 低所得2(上記以外の、市町村民税が非課税の世帯) | 5,000円 | 5,000円 |
| 中間所得1(市町村民税の所得割が3万3千円未満) | 医療保険の上限額 | 5,000円 |
| 中間所得2(市町村民税の所得割が3万3千円以上23万5千円未満) | 医療保険の上限額 | 10,000円 |
| 一定所得以上(市町村民税の所得割が23万5千円以上) | 制度の対象外 | 20,000円(令和9年3月31日までの経過措置) |
「重度かつ継続」には、統合失調症、うつ病などの気分障害、てんかんなどが当てはまります。当てはまるかどうかは、主治医に確認してください。
手帳を取ることも考えてみましょう
国の事務処理要領では、手帳がなくても支給を決められるとしたうえで、「できる限り障害者手帳の取得を勧奨することが望ましい」ともしています。手帳は、B型以外にも、さまざまな福祉制度を使うときに障がいの証明として使えます。
大分市の精神障害者保健福祉手帳は、診断書で申請した場合、審査に1か月〜1か月半程度かかり、有効期間は2年間です。自立支援医療と同時に申請することもできるので、主治医や窓口に相談してみてください。
B型を使い始めるまでの流れ
自立支援医療の受給者証などがそろったら、大分市障害福祉課でB型の利用を申請します。申請のあと、相談支援事業所(利用の計画を作り、手続きを手伝う事業所)に「サービス等利用計画(案)」を作ってもらいます。支給が決まると「障害福祉サービス受給者証」が届きます。
また、令和7年10月からは、B型を新しく利用する方の多くが、先に「就労選択支援」(自分に合った働き方を選ぶための、1か月ほどのアセスメント)を利用することになりました。50歳以上の方、障害基礎年金1級を受けている方、就労経験がある方などは、希望に応じて利用します。
申請から利用開始までの詳しい流れは、「大分市で就労継続支援B型を使うまで|受給者証の申請から利用開始までの流れ」で解説しています。
よくある質問
医師の診断書だけで、B型を申請できますか?
国の事務処理要領では、精神障がいや難病の方は、医師の診断書で障がいを確認することも認められています。大分市では、難病の方は診断書などで申請できると案内されています。
一方で、精神障がい・発達障がいの方が診断書だけで申請できるかどうかは、大分市の案内には書かれていません。大分市障害福祉課(097-537-5658)に確認してください。
受給者証や手帳が届く前に、事業所の見学はできますか?
見学は、受給者証や手帳がなくてもできます。手続きと並行して、通いたい事業所を探しておくと、利用開始までがスムーズです。
通院していない場合は、どうすればよいですか?
精神障がいの場合、自立支援医療(精神通院)も診断書も、医療機関を受診していることが前提になります。まずは医療機関への相談や、大分市障害福祉課・相談支援事業所への相談から始めてください。
家族が代わりに申請できますか?
自立支援医療(精神通院)と精神障害者保健福祉手帳は、代理人による申請ができます。B型の利用の申請は、相談支援事業所に代行を頼むこともできます。
手帳がないと、B型の利用料は高くなりますか?
利用料は手帳の有無ではなく、世帯(本人と配偶者)の所得で決まります。原則は費用の1割で、生活保護を受けている世帯や市民税が非課税の世帯は0円です。詳しくは「就労継続支援B型の利用料」で解説しています。
まとめ
障害者手帳がなくても、B型を使える場合があります。大分市では、精神障がい・発達障がいで通院中の方は自立支援医療受給者証(精神通院)で、難病の方は診断書などで申請できます。身体障がいの方は、身体障害者手帳が必要です。
どの書類で申請できるか迷ったら、一人で悩まずに、大分市障害福祉課や相談支援事業所、通いたい事業所に相談してみてください。
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